【現代アーティスト】デイヴィッド・シュリグリー(David Shrigley)プロフィール・関連情報
- 2011年3月11日
- 読了時間: 7分
更新日:5月25日

【目次】
【デイヴィッド・シュリグリーについて】

デイヴィッド・シュリグリー(David Shrigley)は、ブラックユーモア溢れる呟きとシンプルな絵のドローイングや短編アニメーション、写真や彫刻作品などで、現在世界的人気を博している現代アーティストです。1968年にイングランド北部のマックルズフィールドに生まれ、スコットランドで唯一の公立美術大学であるグラスゴー・スクール・オブ・アートを卒業しました。その後27年間にわたりグラスゴーで活動し、現在はイングランド南部のブライトンを中心に活動しています。日本では過去に、東京オペラシティ・アートギャラリーで2002年に行われた「JAM:東京 ─ロンドン展」において、奈良美智氏とのコラボレーションを行い話題となりました。
近年では、2013年のイギリス・ターナー賞ノミネートや、2014年のロンドンのカフェ「Sketch」にて行った大規模ドローイングインスタレーション(カフェで使用されていた、まるで彼の作品のようなユニークなデザインの食器までがSNSで人気となっていました)、また2016年の、世界で話題の現代アートプロジェクト「第4の台座(Fourth Plinth)コミッション」の作品として、彼の巨大な「いいね」のブロンズ彫刻「Really Good」が選出されたことなどが大きな話題となりました。
2014年7月にはレスターのデ・モントフォール大学によって名誉博士号を授与されています。さらに、視覚芸術への卓越した貢献が認められ、2020年には英国王室より大英帝国勲章(OBE)を受章しました。
日本での活動としては、2017年10月14日から2018年1月21日にかけて、日本初の大規模個展となる『デイヴィッド・シュリグリー:ルーズ・ユア・マインド―ようこそダークなせかいへ』が水戸芸術館にて開催され、ブラックユーモア溢れるシュリグリーの世界を堪能できる初の大規模展覧会として話題を集めました。また2021年に表参道GYRE GALLERYで開催された芥川賞作家・村田沙耶香や現代美術家・金氏徹平との対話型展覧会「村田沙耶香のユートピア_〝正常〟の構造と暴力」や、2023年〜2024年のYumiko Chiba Associatesでの個展「DO NOT TRUST THE MIRROR」などがあります。
【デイヴィッド・シュリグリー 作品について】

ポストYBAs(ヤング・ブリティッシュ・アーティスト)世代の代表的なアーティストの一人と言われるデイヴィッド・シュリグリーは、日常生活のありふれた光景を機知に富んだ切り口で描いたドローイングや写真、アニメーション作品でよく知られており、それらの作品には、駄じゃれ、ダブル・ミーニング、皮肉、厭世観など英国らしいユーモアのセンスがふんだんに盛り込まれています。
シュリグリーは独特のユーモラスな感覚と絶妙なバランスで、作品を通じて鑑賞者に「思考する」ことを促し、作品と世界との間に新しい関係を作りだし、また美術館、ギャラリーといった美術界での注目のみならず、マス・カルチャーのなかで、そのクリティカルな視点を決して失うことなく、大きな成功を収めているという点でも稀有なアーティストと言えるでしょう。例えば、Blurの「Good Song」のミュージックビデオ監督や、デヴィッド・バーンやフランツ・フェルディナンドらが彼のテキストに曲をつけたコンピレーションアルバム『Worried Noodles』のリリースなど音楽界とのコラボレーションも多岐にわたります。また、2015年にはスコットランドのプロサッカーチーム「パートティック・シッスルFC」の公式マスコットキャラクター「キングスリー」をデザインし、スポーツ界における無難なマスコットの概念を覆す「悪夢的」とも称される強烈な造形で大きな話題を呼びました。
そしてシュリグリー作品のもっとも特筆すべき点は、普段とりわけ美術に興味のない人でもその作品の前で思わず笑ってしまうような、誰もが楽しめる作品であるということです。「芸術は誰のためのものでもある」、という作家の言葉がまさにここに実現していると言えるでしょう。
(参照:Yumiko Chiba Associates 公式サイト)
【デイヴィッド・シュリグリー 主な経歴・受賞歴・展覧会歴】
▼経歴▼
2023年
・チャリティ団体Oxfamの古書店と連携し、古本のダン・ブラウンの小説をパルプ化し、その再生紙でジョージ・オーウェルの『1984年』を再版するプロジェクト『Pulped Fiction』を実施。
2020年
・シャンパーニュ・メゾン「ルイナール」のアーティスト・オブ・ザ・イヤーに選出され、コラボレーションを展開。
・視覚芸術への卓越した功績により、英国王室から大英帝国勲章(OBE:将校)を授与される。
2018年
・ブライトン・フェスティバルのゲストディレクターを務める。
2016年
・ロンドンのトラファルガー広場におけるパブリックアート・プロジェクト「第4の台座(Fourth Plinth)」のコミッションとして、親指を立てた高さ7メートルのブロンズ彫刻『Really Good』が設置される。
2015年
・スコットランドのプロサッカーチーム「パートティック・シッスルFC」のマスコットキャラクター「Kingsley」をデザイン。
・長年の活動拠点であったグラスゴーから、イングランド南部のブライトンに移住。
2014年
・レスターのデ・モントフォート大学より名誉博士号を授与される。
2013年
・イギリスの権威ある現代美術賞「ターナー賞」にノミネートされる。
2007年
・自身のテキストに様々な世界的ミュージシャンが曲をつけたコンピレーションアルバム『Worried Noodles』をリリース。
2006年
・自身初のスポークンワード(詩の朗読)アルバム『Shrigley Forced to Speak With Others』をリリース。
・短編アニメーション映画『Who I Am And What I Want』がロッテルダム国際映画祭Tiger Short Film Awardをはじめとする数々の賞を受賞。
2005年
・短編アニメーション映画『Who I Am And What I Want』を共同監督。
2003年
・イギリスのロックバンドBlurの楽曲「Good Song」のミュージックビデオ監督を務める。
1991年
・グラスゴー・スクール・オブ・アート(スコットランド)の環境美術専攻を卒業。
1987年
・レスター・ポリテクニック(現デ・モントフォート大学)の美術・デザイン基礎コースを修了。
1968年
・イングランド北部のマックルズフィールドに生まれる。
▼個展▼
2025年
・個展「Exhibition of Old Rope」(Stephen Friedman Gallery、ロンドン)
2024年
・個展「People reveal themselves slowly」(Galleri Nicolai Wallner、コペンハーゲン)
2023年
・【日本】個展「DO NOT TRUST THE MIRROR」(Yumiko Chiba Associates、東京)
・個展「Pulped Fiction」(Oxfam Books & Music、スウォンジー)
・「NGV Triennial 2023」(NGV International、メルボルン ※『Really Good』などの主要作品を展示)
2022年
・個展「Proposals for Record Covers」(Galerie Francesca Pia、チューリッヒ)
2021年
・【日本】「村田沙耶香のユートピア_〝正常〟の構造と暴力 ダイアローグ デヴィッド・シュリグリー ≡ 金氏徹平」(GYRE GALLERY、東京)
・個展「MAYFAIR TENNIS BALL EXCHANGE」(Stephen Friedman Gallery、ロンドン)
2020年
・【日本】個展「CLARITY: IT IS VERY IMPORTANT」(Yumiko Chiba Associates、東京)
・個展「Do Not Touch The Worms」(Copenhagen Contemporary、コペンハーゲン)
2019年
・個展「Fluff War」(Anton Kern Gallery、ニューヨーク)
2018年
・個展「Exhibition of Inflatable Swan Things」(Spritmuseum、ストックホルム)
・個展「David Shrigley: Life Model II」(Fabrica、ブライトン)
2017年
・【日本】個展「New Drawings」(Yumiko Chiba Associates、東京)
・【日本】個展「デイヴィッド・シュリグリー:ルーズ・ユア・マインド―ようこそダークなせかいへ」(水戸芸術館 現代美術ギャラリー)
2015年
・個展「Lose Your Mind」(Instituto Cultural Cabañas、グアダラハラ。ブリティッシュ・カウンシル主催によりその後世界各国へ巡回)
2014年
・個展「David Shrigley: Life and Life Drawing」(National Gallery of Victoria、メルボルン)
2012年
・個展「Brain Activity」(Hayward Gallery、ロンドン。翌年サンフランシスコのYerba Buena Centre for the Artsへ巡回)
2008年
・【個展「David Shrigley, Monotypien」(Museum Ludwig、ケルン)
・個展(BALTIC Centre for Contemporary Art、ゲーツヘッド)
2002年
・個展(Anton Kern Gallery、ニューヨーク)
・個展(Camden Arts Centre、ロンドン。その後シェフィールドへ巡回)
1997年
・個展(Galleri Nicolai Wallner、コペンハーゲン)
・個展(Stephen Friedman Gallery、ロンドン)
・個展(Photographers' Gallery、ロンドン)


