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【美術家】川島秀明(かわしまひであき/Hideaki Kawashima)プロフィール・関連情報

  • 2019年12月11日
  • 読了時間: 8分

更新日:5月23日

川島秀明作品(©︎HIDEAKI KAWASHIMA/KOAYAMA TOMIO GALLERY)
川島秀明作品

【目次】





1.川島秀明について


川島秀明氏は、1991年に東京造形大学を卒業後、1995年から比叡山延暦寺初の公募による仏道修行に2年間参加し、そのまま僧侶になるか画家になるか迷った末に画家の道を選んだという、ユニークな経歴を持つ美術家です。(2000年頃には「草薙凛」という名義でインターネット上にバーチャル寺院を運営していたそうです。)


現在は東京を拠点に制作活動を行っており、小山登美夫ギャラリーで奈良美智氏のキュレーションによるグループ展「morning glory」(2001)に出展し本格的に活動を開始しました。その後、小山登美夫ギャラリーでの個展をはじめ、アメリカのRichard Heller Galleryや韓国のKukje Galleryなど国内外で多数の個展を開催しています。また、水戸芸術館や横浜美術館、ザルツブルク近代美術館やジャパンソサエティーなど、数多くの国際展やグループ展にも参加してきました。2014年のサッカーワールドカップブラジル大会にあわせ、FIFAが世界中から23人のアーティストを選び制作したポスタープロジェクト「オフィシャルアートプリントエディション2014FIFAワールドカップ・ブラジル™」では、バスキア、キース・へリングといった歴史上のアーティストとともに川島作品が選ばれています。近年では、香港のK11 MUSEAや韓国のGANA ART CENTERでの展示など、アジアを中心とした海外での活躍も広がっています。



2.川島秀明 作品について


川島秀明作品(©︎HIDEAKI KAWASHIMA/KOAYAMA TOMIO GALLERY)
川島秀明作品

初期から2010年以前までは、性別を感じさせない、人であって人でないような「表情」を描いていた川島氏。氏によれば、それらの作品は、『自分自身のその時々の感情を表現する断片的な場面』を描いたものであり、その制作は『漠然とした不安に対する自己確認の作業』であると語っています。彼の作品は、まるで陽炎のように儚く淡く、けれども強烈な印象を見る者に与えます。時折人の魂の形のようにも感じる、顔の輪郭のない表情のみが描かれた作品からは、彼の揺れ続ける感情の断片を自らの感情の断片に重ねて感じ、自身の感情と向き合うことを突きつけられます。


2010年頃から川島氏は自らの絵に身体を与え始めます。それは、『どこまでも内省的に自己を見つめた果ての、肥大化しすぎた自意識をニュートラルに戻す作業』でした。内から外へと視線を移した彼の作品の中の登場人物には、それぞれに顔の輪郭があり、異なる髪型があり、異なる服を着ています。2018年11月に開催された小山登美夫ギャラリーでの個展『Youth』では、初めて全身が描かれた作品や、これまで一人だった登場人物が、複数いる作品も登場しました。この変化について、川島氏は個展の概要で、それまでの「自画像のようなもの」であったイメージは、実は「虚像」であり、自分を隠していた「仮面」であったと振り返っています。そしてその仮面を外した結果、『従来のように鏡に映った虚像そのものを描くという感じから、その虚像を見ている自分を描くという、幾らか客観的な視点』を得られたと語っています。『自分としてはやっと一歩外に出られたと感じています。』という川島氏の言葉がとても印象的です。


そして近年、川島氏の作品はさらなる大きな転換点を迎えています。コロナ禍や身近な人々の死を経験し、自らの死や「生命の循環」という大きな流れを意識したことで、長年囚われていた自己や自意識から解放されるに至りました。2024年に開催された7度目の個展『Stream』では、これまでのアクリル絵具中心の制作から、若かりし頃の屈託の象徴であり苦手意識を持っていた「油絵具」をあえて用いた色鮮やかな新作を発表しています。また、他者が撮影した写真をもとに風景の中に人物を描き込むなど、より客観的な視点を取り入れ、生と死の儚さや煌めきを映し出す新たな境地へと到達しました。


自己の自意識へのもどかしさは誰しもが抱えているものですが、川島氏の作品からは、客観性を意識し、大いなる時間の流れの中に身を委ねることで、そのもどかしさが昇華されていく感覚を得ることが出来ます。絶えず自らをアップデートし、新たな表現へと挑み続ける川島秀明氏の今後の活躍にますます注目です。



3.川島秀明 主な経歴・展覧会歴・パブリックコレクション


▼経歴▼

1969年

・愛知県生まれ。

1991年

・東京造形大学卒業。

1995年〜1997年 

・比叡山延暦寺にて仏道修行を2年間修める(天台宗の公募による)。

2000年頃 

・「草薙凛」名義で活動。

2001年 

・川島秀明として本格的にアーティスト活動を開始。


▼展覧会歴▼

  • 2026年 

    ・「未知なる存在」(小山登美夫ギャラリー六本木、東京)

    2025年 

    ・「浮世絵現代」(東京国立博物館 表慶館、東京)

    2024年 

    ・個展「Stream」(小山登美夫ギャラリー六本木、東京) 

    ・【海外】「MIND SCAPES」(GANA ART CENTER、ソウル、韓国) 

    ・「角川武蔵野ミュージアムコレクション展vol.04 絵からはじまる本とつながる~もう一つの本棚劇場~」(角川武蔵野ミュージアム、埼玉) 

    ・【海外】「Small Things Here and There」(PTT Space、台北、台湾) 

    ・「森の芸術祭 晴れの国・岡山」(作州民芸館、岡山) 

    ・「日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション」(東京都現代美術館、東京)

    2023年 

    ・【海外】個展「Stay Still」(Richard Heller Gallery、サンタモニカ、アメリカ) 

    ・【海外】「おはようございます日本: Good Morning Japan」(Nassima Landau Art Foundation、テルアビブ、イスラエル)

    2022年 

    ・【海外】「EXODUS」(K11 MUSEA、香港) 

    ・「N/World」(MtK Contemporary Art、京都) 

    ・「コロナ禍とアマビエ 6人の現代美術家が『今』を考える」(角川武蔵野ミュージアム、埼玉)

    2021年 

    ・「花と鳥」(小山登美夫ギャラリー、東京) 

    ・「コロナ時代のアマビエ プロジェクト」(角川武蔵野ミュージアム、埼玉)

    2020年 

    ・「顔」(小山登美夫ギャラリー、東京)

    2019年 

    ・「ボクとおやじのアートdeお盆ナイト」(ZaisyohouseKoide、西春日井郡、愛知)

    2018年 

    ・個展「Youth」(小山登美夫ギャラリー、東京) 

    ・個展「[2001-2014]」(8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Gallery、東京)

    2017年 

    ・小山登美夫ギャラリー グループ展(東京)

    2016年 

    ・【海外】「JAPAN 7」(SILVERLENS、マニラ、フィリピン)

    2015年 

    ・「柏原由佳・川島秀明・工藤麻紀子・桑久保徹・桑原正彦・福井篤 作品展」(8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Gallery、東京) 

    ・「タグチヒロシ・アートコレクション パラダイムシフト てくてく現代美術世界一周」(岐阜県美術館、岐阜)

    2014年 

    ・個展「come out」(8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Gallery、東京) 

    ・【海外】個展「Back and Forth」(Richard Heller Gallery、サンタモニカ、アメリカ) 

    ・「タグチ・アート・コレクション たぐ展☆」(松本市美術館、長野)

    2013年 

    ・「2014 FIFAワールドカップ・ブラジル™ オフィシャルアートプリントエディション」(8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Gallery、東京) 

    ・「高橋コレクション展 マインドフルネス!」(鹿児島県霧島アートの森、鹿児島[札幌芸術の森美術館、北海道へ巡回])

    2012年 

    ・「大竹利絵子・川島秀明・小出ナオキ 作品展」(8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Gallery、東京)

    2011年 

    ・【海外】個展「Turning」(Richard Heller Gallery、サンタモニカ、アメリカ) 

    ・【海外】「ORANGE SKY」(RH Gallery、ニューヨーク、アメリカ) ・「CAFE in Mito 2011」(水戸芸術館現代美術ギャラリー、茨城) 

    ・【海外】「Reflections in collaboration with Tomio Koyama Gallery」(ford PROJECT、ニューヨーク、アメリカ) 

    ・「収蔵品展039 寺田コレクションの若手作家たち」(東京オペラシティ アートギャラリー、東京)

    2010年 

    ・「ポートレイト2」(小山登美夫ギャラリー、東京)

    2009年 

    ・【海外】個展「Wandering」(Kukje Gallery、ソウル、韓国) 

    ・【海外】「convolvulus」(Michael Ku Gallery、台北、台湾) 

    ・【海外】「Prepare for Pictopia」(Haus der Kulturen der Welt、ベルリン、ドイツ) 

    ・「収蔵品展029 女たち」(東京オペラシティ アートギャラリー、東京)

    ・「neoneo Part1 [BOY]」(高橋コレクション 日比谷、東京)

    2008年 

    ・個展「wavering」(小山登美夫ギャラリー、東京) 

    ・【海外】Richard Heller Gallery(サンタモニカ、アメリカ)

    2007年 

    ・【海外】Kukje Gallery(ソウル、韓国) 

    ・「ポートレート・セッション」(ナディフ、東京/広島市現代美術館、広島) 

    ・【海外】「TOMORROW NOW」(MUDAM Luxembourg、ルクセンブルク) 

    ・【海外】ポチョン・アジア・ビエンナーレ 2007(Pocheon Banweol Art Hall、ポチョン、韓国)

    2006年 

    ・「ライフ」(水戸芸術館現代美術ギャラリー、茨城) 

    ・「マジカル・アート・ライフ」(トーキョーワンダーサイト渋谷、東京) 

    ・「収蔵品展021 素材と表現」(東京オペラシティ アートギャラリー、東京) 

    ・「アイドル!」(横浜美術館、神奈川) 

    ・「縄文と現代」(青森県美術館、青森)

    2005年 

    ・個展「mutability」(小山登美夫ギャラリー、東京) 

    ・【海外】「Little Boy」(Japan Society、ニューヨーク、アメリカ) 

    ・「心の風景 寺田小太郎の眼から」(川越市立美術館、埼玉) 

    ・【海外】「Rising Sun, Melting Moon: Contemporary Art in Japan」(イスラエル美術館、エルサレム、イスラエル)

    2004年 

    ・【海外】「Japanese Experience Inevitable」(ザルツブルグ近代美術館、オーストリア) 

    ・【海外】「Next Generation Heavenly Creatures」(Galerie Thaddaeus Ropac、ザルツブルグ、オーストリア) 

    ・【海外】「Fiction.Love – Ultra New Vision in Contemporary Art」(台北當代藝術館(MOCA Taipei)、台湾) 

    ・【海外】「Young Artists from China, Japan and Korea」(ソウル国立現代美術館、韓国) 

    ・【海外】「FUNNY CUTS -CARTOONS UND COMICS IN DER ZEITGENOSSISCHEN KUNST」(Staats Galerie Stuttgart、シュトゥットガルト、ドイツ)

    2003年 

    ・個展「Shadow Monk」(project room/ 小山登美夫ギャラリー、東京)

    2002年 

    ・「Fragile Figures」(Pallette Club、東京)

    2001年 

    ・「morning glory」(小山登美夫ギャラリー、東京)

▼パブリックコレクション▼

オーアール美術館/公益財団法人 角川文化振興財団/群馬県立館林美術館/高橋龍太郎コレクション(旧:高橋コレクション)/高松市美術館/タグチ・アートコレクション/東京オペラシティ アートギャラリー/府中市美術館(寺田コレクション)/フラワーマンコレクション/横浜美術館



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