草間彌生xラムフロムのアートグッズ – その1 –

草間彌生xラムフロムのアートグッズ - その1 -

 

草間彌生(くさまやよい)を知らない知人が、ラムフロムの草間彌生のグッズを初めて目にした時、私にこう言いました。

「目が回る。好きじゃない。」

 

その後、暫くして彼女に会った時に、彼女はこう言いました。

「目に焼き付いて離れない。」

彼女は、Pumpkin ソフトスカルプチャーを買ってくれました。

実は、草間彌生の作品を初めて目にした人の多くが、彼女と同じような感想を口にします。めまいがする、圧迫感がある、怖い、不安になる、etc.。

確かに、水玉模様の洪水がまるで自分めがけて押し寄せて来るような作品や、何ものなのかも分らないうねる立体作品、目にした瞬間から自らの頭の中でも増殖を開始しはじめる無限の網のドローイングなど、草間彌生の強烈な作品を目にして圧倒されなかった人はいないしょう。

けれど、そのようにして作品から与えられた最初の強烈な印象は、例え一時拒否反応を起こしたとしても、いつしか疑問となり、そして興味となって、人々を再び草間彌生の元へと舞い戻らせます。草間彌生のファンはそうやって、増殖して行きます。

ラムフロムが草間彌生のグッズを初めて手がけることになった時に目指したのも、まさにそれでした。

一度見たら何故か分らないけれど気になって仕方が無い。
そんなグッズが作れたら。

勿論、コアな草間彌生ファンも納得出来るものに仕上げることも重要です。更に言うと、これまでの展覧会グッズ、アートグッズとは一線を画す・・・そんな、何か新しいタイプものを作りたいと、ラムフロムは考えました。

そうして生まれたのが、六本木の森美術館にて2004年2月から5月まで開催され52万人を動員した、草間彌生大規模個展『クサマトリックス』の展覧会グッズとして製作された、ラムフロム初の草間彌生グッズ「Pumpkin ソフトスカルプチャー」と「Balloon ソフトスカルプチャー」、そして、草間彌生描き下ろしの「ドローイングバンダナ」でした。

何よりこだわったのは、素材とプリントの繋がり。

草間彌生初の大規模個展『クサマトリックス』に行かれた方は、このBalloon(バルーン) ソフトスカルプチャーの形やデザインには見覚えがあるかと思います。デザインから製作までをラムフロムが行ったこのアイテムは、展覧会のポスターにもなっていた草間彌生作品『水玉強迫』をモチーフとして作られた、ラムフロム初の草間彌生xラムフロムのオリジナルグッズ(のうちの一つ)でした。

ラムフロムオリジナル 草間彌生 Balloon ソフトスカルプチャーところで、Balloonソフトスカルプチャーを製作するにあたり、デザイン上最も苦労したのが、「ドッツの配置とつなぎ目部分の繋がり」でした。

Balloonソフトスカルプチャーには、赤に白い水玉模様のタイプと白に赤い水玉模様のタイプのニ種類のカラータイプがあり、サイズはSサイズとLサイズがあります(赤地に白ドットはSサイズのみ)。見た目は一見シンプルなデザインに見えますが、実は真ん中が細くなっているスカルプチャー本体のユニークな形故に最も奇麗に見えるであろう水玉の配置に一苦労し、かつ、つなぎ目部分で水玉模様が切れたり、不自然に並んだりしないよう、かなりの試行錯誤を繰り返しました(この経験を通して、少しですが、草間彌生作品の凄さが身に染みて分りました)。

 

更にもう一つ、「素材選び」にも苦労をしました。

完成したスカルプチャーの素材にはフェイクレザーが使用されているのですが、企画当初はビニールを使用する案も上がっていて、選ぶ迄にしばし難航しました。

最終的にフェイクレザーに決まった理由にはニつありました。一つ目は、草間作品のあの、Balloonのピンと張った感じや膨らみ感を忠実に再現したかったという理由。そして二つ目は、家の中に置いた時の満足感を考えた時、ビニールではそれは難しいと判断した為でした。

ラムフロムオリジナルの草間彌生Ballonソフトスカルプチャーは、こうして完成しました。

 

後編へ続く。
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