「こけしっ子ぞうしょく」展を開催中の現代アーティスト・河内かおりさんに突撃メールでインタビュー☆

「こけしっ子ぞうしょく」展を開催中の現代アーティスト・河内かおりさんに突撃メールでインタビュー☆

全国全世界のこけ女(こけし女子)の皆様、こけ男(こけし男子)の皆様、そしてラムフロム・ウォッチャーの皆様、おはこんばにちわ。母が東北出身者なのでこけしは幼い頃から身近にあった中の中の人@LAMMFROMMでございます☆ そして今ふと思ったんですが、ワカメちゃんの髪型(おかっば)って「こけし」由来ですかね?

え〜さて、本日はですね、昨日からラムフロム ShinQs店にて「こけしっ子ぞうしょく」展がスタートしました、現代アーティストの河内かおりさんに「突撃メールでインタビュー☆」をお送り致します♪ 

それでは早速、レッツらゴー☆

「こけしのぞうしょく」は壮大なアート実験?

現代アーティスト・河内かおり個展「こけしっ子ぞうしょく」より

質問1:今回の個展のタイトル「こけしっ子ぞうしょく」の意味を教えてください?

こけしやペインティングに描かれている女の子が、これから先、様々な場所や媒体で増殖して色んなことをしていけたらいいなと思い、タイトルにしました。

質問2:河内さんと「こけし」との最初の出会いはいつでしょうか? またその際に「こけし」についてどう感じたか教えて下さい。

2010年に、居桂誌(こけし)という喫茶店で、卯三郎こけしに出会ったのがこけしをかわいいと思った最初の出来事でした。丸い木の中に可愛さが凝縮されていて、ファンになりました。

 

現代アーティスト・河内かおり個展「こけしっ子ぞうしょく」より

質問3:「こけし」をモチーフにした作品を制作しようと思った「きっかけ」または「理由」をお聞かせ下さい。

こけしはかわいいし、欲しいけれど、家の中でのこけしスペースが確保できないことなどから次々に集めることは出来ないなと思っていました。そんな中、昨年の世田谷ボロ市で、独自のこけしのような物を製作していたおじさんに、サンプルとして絵を描いてくれと頼まれたのがきっかけです。その後喫茶店などでのこけし雑貨制作を経て今回のこけし制作に進化していきました。

 

現代アーティスト・河内かおり個展「こけしっ子ぞうしょく」より

質問4:作品を製作していて一番面白いと感じるのはどういった時ですか? 

アイデアを頭の中で練っている時、効率よく、いい感じに進行できた時、楽しい作品、凄い作品が「出来そうだ!」という事が分かった瞬間、仕上げ段階に集中して作業している時です。

質問5:大変と感じるのはどういった時ですか?

制作が終わるか不安になるときや、制作に時間がさけない日が続いたときです。

 

現代アーティスト・河内かおり個展「こけしっ子ぞうしょく」より

質問6:これまで何体ほど「こけし作品」を制作されたのでしょうか?

こけしは今回を含めて、40本ぐらいだと思います。こけし子ちゃんのドローイングは180枚位あると思います。

質問7:一言でいって「こけし」の魅力とは?

特に伝統こけしになりますが、顔も模様もオリジナリティに溢れていてまるで人間ひとりひとりを見ているような気がします。私はとくにその中でも、素朴さや間抜けな雰囲気のあるものに目がいきます。

 

現代アーティスト・河内かおり個展「こけしっ子ぞうしょく」より

質問8:最近、30代の女性を中心にのこけしがブームということですが、そういったブームについてはどう思われますか?

昔からある文化が無くならず大切に思えるという事はすごくいいと思っています。ブームでこけし文化に色々な変化も起こるのかもしれませんが、その変化がまた面白いと思います。

質問9:「こけし」は最近海外でも人気を集めており、フランス人のアンヌロワ・パロ(Annelore Parot)氏が描いたこけし人形をテーマにした絵本シリーズが英語とドイツ語に翻訳されて人気となっているようです。ところで、河内さんはドイツでも展覧会を行ってますが、日本とドイツでの、作品の印象の違いはどうでしたか?

私がドイツで展示したときはイベントの中での展示だったのですが、同じ作品を日本で展示したときより作品に親しみをもって接してくれていたみたいです。絵と写真ををとっている人もいました。小さい時から身近に美術作品と触れ合っているからなんでしょうか。

 

現代アーティスト・河内かおり個展「こけしっ子ぞうしょく」より

質問10:余談ですが、「マトリョーシカ」のルーツは日本の「こけし」という話しがあるようですが、マトリョーシカはお好きですか?

好きです。ロシアデザインの描かれているマトリョーシカなどかっこいいですし、ロシアのユルい絵も気になります。ロシアに行ってみたいです。

 

現代アーティスト・河内かおり個展「こけしっ子ぞうしょく」より

質問11:最後に、ご自分の「現代アーティスト・河内かおり」セルフイメージを教えて下さい。

頭の中でこけしっ子などが増殖していてにぎやかな、育児中の兼業主婦です。

〜 インタビューここまで 〜

 

プロダクトデザイナーの柳宗理の父であり「民藝運動の父」として有名な柳宗悦は、「民藝とは何か(講談社学術文庫)」の中で、少量しか作ることの出来ない高価な芸術品よりも、日常生活に根ざし、数も多く作れる手工藝品(手作りの民藝品)の中にこそ「真の美の基準」があると語っています。手工藝品は、手作りだからこそ現れやすいその土地の伝統や民族的特色を何よりも明確に持っており、故にそれらこそが私たち独自の美しい国家や文化を作る上で最も重要なものだと、彼は言っています。これを読んだ時、わたくし、まさに目から鱗でした。

そして、「こけし」もそんな素晴らしい民藝品のうちの一つです。現在河内さんがテーマにしている「こけしのぞうしょく(増殖)」は、まさに柳宗悦が「民藝とは何か」の中で主張している、「世界に誇れる美しい国をつくるために必要なこと」であり、ついついこけしの可愛さだけに目が行きがちですが、「もしかするとこれはかなり大きなアート実験なのかもしれない」と、個人的に今回の展覧会を見て思いました。

河内かおりさん、お忙しいところ、インタビューにお答え頂きまして、本当にありがとうございました! 皆さんも是非この機会に、ラムフロムで河内さんの作品を見てみませんか? そして、気に入ったこけし作品があったら是非お買い求め頂きたいと思います☆ 柳宗悦の理念に則り、みんなで一緒に日本中にこけしを増殖させて美しい日本を作りましょう☆ スタッフ一同、皆様のお越しをお待ちしております!

河内かおり展「こけしっ子ぞうしょく」

  • 場所:LAMMFROMM ShinQs店
  • 期間: 10月22日(火)−11月18日(月)