私がクリスマスに欲しい絵本:ロバート・サブダ『The 12 Days of Christmas』

ラムフロム・トイズ(lammfromm Toys)より、一週間空いてしまいましたが、今週も「私がクリスマスに欲しいぬいぐるみ&トイ(&本)」と題しまして、私が欲しいものを(好き勝手に)ピックアップして参ります☆

ロバート・サブダ「The 12 Days of Christmas」

 

「The 12 Days of Christmas」という歌をご存知ですか?

ということで、本日の私の欲しいものは、紙の魔術師ことロバート・サブダの飛び出す絵本(ポップアップブック)シリーズの中の一冊、「The 12 Days of Christmas」でございます。キリスト教圏では知らない人はいないであろう「The 12 Days of Christmas」の歌ですが、日本では恐らくあまり馴染みがないと思われるので、まずはこの歌について少し説明をします。

この歌のタイトルが示している「The 12 Days of Christmas(クリスマスの12日)」というのは、クリスマス当日の25日から降誕節の最後の日である1月6日、つまり公現祭(東方の三賢者が贈り物を持って現れ、キリストが人々の前で初めて神性を表した記念日)の前日までの期間のことで、この歌は公現祭の前夜に歌われる遊び歌として有名なんだそうです。

また、この歌は元々イギリスの伝統的なキャロル(賛美歌)で、しかし現在の歌詞は1864年にHuskという人が書いたものとされています。歌詞は、1番2番と進むに連れて1行づつ増えて行くという、Cumulative song(積み重ね歌?)と呼ばれる種類のものでなのですが、実はこの歌詞には、イギリスでカソリック信仰が禁止されていた時代にイギリスの信者達が作ったシークレットコードが隠されているという説があり、しかしその禁止されていた時代というのは1558年〜1829年の間のことで、Huskが歌詞を書いたのは1864年とされていることから時代的に整合性がとれず、さりとて完全には否定出来ない部分もあるとかで、そのあたりちょっと興味深いところです。

 

宝石箱みたいな絵本。なぞなぞのような歌詞。

toy_20101115_sabda6そして、そんな歌を飛び出す絵本にしてしまったのが、紙の魔術師ことロバート・サブダです。

特徴的なのは、他のサブダの本とは違って、本を開くと飛び出して来る立体部分が、基本的には白くて色がないことです(最後のページのみ違うのですが)。理由は分らないのですが、本のページ自体は写真のようにとてもカラフルなので、その効果で立体部分が美しく浮かび上がって、ちょっとした宝石箱や宝箱のように見えます。さすが紙の魔術師です。

本来の歌のイメージはもっとゴシックなんだろうなと思うのですが、だからこそあえてポップなイメージにしたような感があるこの絵本は、歌詞の意味を考えながら読み込めば、色々な想像や妄想(秘密の暗号解読に挑戦とか)が出来そうな予感がします。

ちなみに、この歌は12月25日から1月6日の間の歌であるのに、何故サブダのこの本の最後にクリスマスツリーが出て来るかというと、キリスト教圏ではクリスマスツリーは1月6日まで出しておくものだからです。では何故日本は25日でツリーをしまうかというと、すぐ後に門松が控えているからかと。

ロバート・サブダ「The 12 Days of Christmas」話しがそれかかりましたが、ロバート・サブダのこの絵本「The 12 Days of Christmas」は、とにかく奇麗な本なので、それだけでも価値があるのですが、この本の題材となっている歌そのものも非常に興味深いため、それで、ちょっと欲しいなあと思っている次第です。

例えば、「My true love」ってそもそもどんな存在なのかとか、1日〜4日目まで鳥の贈り物が続いて、いきなり5日目に金の指輪が贈られ、でも6日と7日目でまた鳥が贈られ、その後は最後まで人間が贈られ続けるのは何故かとか、12日間のギフトの合計数が気になるとか、そんなにプレゼントをくれるなんて、どんだけお金持ちなんだとか・・・色々。

アメリカのPNC BANKという銀行では、この「The 12 Days of Christmas」で贈られた贈り物を実際に送ったら幾らになるかという、クリスマス物価指数(CPI)というものを毎年発表しているそうです。しかもちゃんと金の相場とか人件費(跳ねる領主の人件費って一体・・・)を算出しているんだとか。面白すぎです。

参考までに、去年は前年度比1.8%の21,465.56ドルで、貴族やドラマーの賃金は横ばいだったものの、9人の踊り子の賃金は上昇したんだそうです(何故?)。

 

ということで、結局話しがそれましたが、ロバート・サブダのこの絵本「The 12 Days of Christmas」はラムフロム・トイズの以下のページよりチェック出来ますので、良かったら見てみて下さいね。