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【美術家】山口藍(やまぐちあい/Ai Yamaguchi)プロフィール・関連情報

  • 2010年10月15日
  • 読了時間: 7分

更新日:5月27日


【目次】





【山口藍について】


現代アーティストの山口藍(やまぐちあい)は、1977年東京都生まれの現代美術家です。江戸時代に吉原の側で隠れ商売をしている『とうげのお茶や』という架空の遊郭で、遊女として暮らす10歳前後の少女たちの生活をシリーズで描き、その愛らしさと艶やかさが同居する独特の世界観で高い人気を集めています。時代考証を基に細密に設定を施された作品は、そこに生きる少女たちの日常を物語性豊かに描き出し、見るものをその世界に引き込んでいきます。


山口は1995年に女子美術大学芸術学部工芸科(織専攻)に入学し、在学中の1998年にアメリカ・ロサンゼルスのグループ展でデビューを果たしました。翌1999年にはクリエイティブ・ユニット「ninyu works(ニニュワークス)」を結成して本格的な活動を始めます。デビュー直後から海外のコレクターに注目され、日本国内にとどまらず、アジア、ヨーロッパ、アメリカなど国際的に活躍。オーストラリアのニュー・サウス・ウェールズ州立美術館に作品が公的収蔵されるなど、グローバルな評価を確立しています。


2003年には、化粧品ブランドのSHU UEMURAとコラボレーションした『シュウウエムラ・クレンジングオイル・リミテッドエディション』が発売され、大きな話題となりました。また、熱烈なファンだという韓国の人気俳優チェ・ガンヒと、2008年にロサンゼルスで開催された個展『花は野にあるように』にて対面し、その様子が韓国の番組で放送されるなど、海外にも多くのファンを持っています。



【山口藍作品について】


「遊女として暮らす少女たち」というテーマから、色の無い暗く重いイメージを連想しがちですが、実際の作品は鮮やかな色に溢れ、愛らしい少女たちからは内なる強さや品格が滲み出ています。山口にとって彼女たちは、激動の時代を生きた少女たちに現代の若者の不安を重ね合わせた「自身を代弁する存在」であり、普遍的な美意識を託す象徴でもあります。


作品の最大の特徴は、一般的なキャンバスを拒絶し、木製パネルに毛布や綿布を幾重にも重ねた独自の「ふとんキャンバス」を用いるスタイルです。さらに近年では、日本の伝統的な家屋の建具である板戸や欄間、和紙、はまぐりの貝殻といった素材に加え、土という原初的な素材である陶板や磁器へと、支持体の探求を大きく広げています。古語や造語を用いた作品タイトルも、彼女が注目される所以と言えるでしょう。


また、1998年のデビュー当初から版画工房「エディション・ワークス」と緊密に連携し、銅版画やリトグラフなど多彩な版画作品も継続して制作しています。2010年には初の作品集『ほがらほがら』を記念した版画展がラムフロムで開催され、新作版画以外にも、実用できる作品『香炉』やパート・ド・ヴェール技法のガラスを用いた『照明』などが展示され注目を集めました。


近年は平面作品にとどまらず、ギャラリー空間全体をインスタレーションとして構成する展示を意欲的に行っており、2018年の「今と古ゝに」や2022年の「山あいの歌」などで高い評価を得ています。最新の活動として、2025年5月から6月にかけてミヅマアートギャラリーで個展「あのね」を開催。プラタナスの木と消火栓の記憶から着想を得た、「ある(実在)」と「ない(不在)」の境界を巡る哲学的なテーマに挑み、一貫した世界観の中で常に進化し続ける姿を見せています。



【山口藍 主な経歴・展覧会歴】


経歴

2010年 

・初の本格的作品集『ほがらほがら』(羽鳥書店)を上梓。

2008年 

・アメリカ・ロサンゼルスにて開催された個展『花は野にあるように』にて、ファンである韓国俳優チェ・ガンヒと対面。

2003年 

・化粧品ブランド「シュウ ウエムラ」と協働し、限定クレンジングオイルのアートボトルをデザイン。

1999年 

・林真吾、新田優子と共にクリエイティブ・ユニット「ニニュワークス」を結成。

1998年 

・アメリカ・ロサンゼルスのグループ展でデビュー。

1995年 

・女子美術大学芸術学部工芸科(織専攻)に入学。

1977年 

・東京都に生まれる。

展覧会

2025年 

・個展「あのね」(ミヅマアートギャラリー、東京)

2023年 

・【海外】個展「かばにゆをへる」(Mizuma Gallery、シンガポール) 

・個展「庭の小茶」(CUBE3 松坂屋静岡店、静岡) 

・「ART de チャチャチャ −日本現代アートの DNA を探る」(WHAT MUSEUM、東京) 

・「Another Landscape: Contemporary Urban Genre Painting」(メタバース展)

2022年 

・個展「山あいの歌」(ミヅマアートギャラリー、東京) 

・「青木野枝+山口藍:山と空」(GINZA ATRIUM、東京)

2021年 

・【海外】「无界」(Hwas Gallery、上海・中国)

2020年 

・「Uninterrupted Wander − 不断の彷徨」(ミヅマアートギャラリー、東京) 

・神宮の杜芸術祭「紫幹翠葉 − 百年の杜のアート」(明治神宮ミュージアム、東京)

2019年 

・「葉山有樹、takeshibuya、山口藍」(葉山有樹スタジオ、佐賀)

2018年 

・個展「今と古ゝに」(ミヅマアートギャラリー、東京)

2017年 

・個展「Resident Artist Project vol.1 Ai Yamaguchi」(葉山有樹スタジオ、佐賀) 

・個展「キュレーターズセレクション #02 山口藍」(女子美ガレリアニケ、東京) 

・【海外】「Cool Japan – worldwide fascination in focus」(Museum Volkenkunde、ライデン・オランダほか巡回) 

・「IMPACT! II 奮う」(ギャラリー桜林、茨城)

2016年 

・「IMPACTS! ・勢み」(ギャラリー桜林、茨城)

2015年 

・【海外】「Giant Robot Biennale 4」(Japanese American National Museum、ロサンゼルス) 

・「エディション・ワークス Prints & Originals」(Gallery SPEAK FOR、東京)

2014年 

・【海外】個展「しんちしりん」(Joshua Liner Gallery、ニューヨーク) 

・【海外】「IMPACTS! ・勢み」(ZANE BENNETT Contemporary Art、サンタフェ) 

・「大古事記展 五感で味わう、愛と創造の物語」(奈良県立美術館、奈良) 

・【海外】「Conversations through the Asian collections」(Art Gallery of New South Wales、シドニー)

2013年 

・「浮世絵POP 江戸〜現代のポップカルチャー」(静岡市東海道広重美術館、静岡) 

・「ワンダフル・マイ・アート – 高橋コレクションの作家たち」(河口湖美術館、山梨) 

・【海外】「Crossover」(AKI Gallery、台北・台湾) 

・【海外】「LOOK EAST! 2 – Asian Perspectives」(Mizuma Gallery、シンガポール)

2012年 

・個展「ほし」(ミヅマアートギャラリー、東京) 

・「山口藍・PIP&POP:うたかた、たゆたう – the blinking of an eye-」(スパイラルガーデン、東京) 

・【海外】個展「明日また」(10 Chancery Lane Gallery、香港) 

・個展「よろこび」(NaDiff modern、東京) 

・「ジパング展 −沸騰する日本の現代アート−」(新潟県立万代島美術館ほか巡回) 

・【海外】「Kamisaka Sekka – dawn of modern Japanese design」(Art Gallery of New South Wales、シドニー)

2011年 

・【海外】個展「雲隠」(Aki Gallery、台北・台湾) 

・「ZIPANGU −31人の気鋭作家が切り拓く、現代日本のアートシーン。−」(日本橋高島屋ほか巡回)

2010年 

・個展「ほがらほがら」(ナディッフギャラリー、東京) 

・個展「きゆ」(ミヅマアートギャラリー、東京)

2009年 

・「November Steps − Susan Phillipsz & Gallery Artists-」(ミヅマアートギャラリー、東京)

2008年 

・【海外】個展「花は野にあるように」(Roberts & Tilton、ロサンゼルス) 

・【海外】「Macrocosm」(Roberts & Tilton、ロサンゼルス)

 ・【海外】「Off the Rails|反主流」(Mizuma and One Gallery、北京)

2007年 

・個展「山、はるる」(ミヅマアートギャラリー、東京)

2006年 

・【海外】個展「E no e: Pictures of Pictures」(GR2、ロサンゼルス)

・【海外】「DO NOT STACK」(Roberts & Tilton、ロサンゼルス) 

・「2006 グループショー」(Mizuho Oshiro ギャラリー、鹿児島) 

・【海外】「Fiction@Love」(Museum of Contemporary Art Shanghai、上海ほか巡回)

2005年 

・「take art collection 2005 『美術百貨店』」(スパイラルガーデン、東京) 

・【海外】「Untitled」(Roberts & Tilton、ロサンゼルス) 

・「Aランチ」(アクシスギャラリーアネックス、東京)

2004年 

・【海外】個展「おやすみ」(Shaheen Modern & Contemporary Art、クリーブランド) 

・個展「はるのゆくへ」(Mizuho Oshiroギャラリー、鹿児島) 

・個展「花みて暮らす春」(NADiff、東京ほか巡回)

・【海外】「EYE OF THE NEEDLE」(Roberts & Tilton、ロサンゼルス) 

・【海外】「Fiction. Love − Ultra New Vision in Contemporary Art」(Museum of Contemporary Art Taipei、台北) 

・【海外】「OFFICINA ASIA」(Galleria d'Arte Moderna、ボローニャ・イタリア)

2003年 

・【海外】個展「すくうとこ」(Roberts & Tilton、ロサンゼルス) 

・個展「花袋」(ビューイングルーム・ヨヨギ/ガレージ、東京)

 ・【海外】「Still Waters」(Roberts & Tilton、ロサンゼルス)

2002年 

・個展「後朝」(ギャラリー・イヴ、東京) 

・【海外】個展「山口藍 個展」(Giant Robot Store、ロサンゼルス) 

・【海外】個展「山口藍 個展」(Stefan Stux Gallery、ニューヨーク) 

・【海外】「カゲキ・メトニミクス(過激な換喩)」(Stefan Stux Gallery、ニューヨーク)

2001年 

・個展「おみなえし」(NADiff bis、宮城) 

・個展「笑門来福」(シブヤ西武美術画廊、東京)

2000年 

・個展「春に知られぬ花」(NADiff、東京)

・個展「もこもこの月」(NADiff、東京) ・個展「かむろ」(サロン粋、石川)



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