奈良美智の限定クロック『WALK ON』

奈良美智限定クロック『WALK ON』

lammfrommが製作したアートグッズのコラム、2回目は奈良美智の限定クロック「WALK ON」です。

この置時計は、2001年6月に1000台限定で発売されたのですが、すぐに完売してしまったので、実物を見たことがない人もいらっしゃると思いますが、実は、ラムフロム東京店内には何気に置いております。店にいらした事のあるお客様、気づきましたか?

奈良美智限定クロック『WALK ON』ちなみに2006年に金沢21世紀美術館で開催された展覧会「Moonlight Serenade-月夜曲」での巨大ぬいぐるみの共同制作プロジェクト「Pup Up the Dog」の展示室の壁にも備えつけられていました。着ぐるみが掛けてあった受付小屋のちょうど真ん中あたりの壁です。で、その大きさは「WALK ON mini」より一回り大きい幅28cm、高さ18cm、奥行き10cm。色はベージュとブルーの2色で合わせて1000台を限定発売。作家である奈良さんの直筆サインとエディション番号入りでロゴや外箱のデザインは、 今をときめくグラフィックデザイナー/アートディレクターの古平正義さん。ベースとなった置時計は通称パタパタ・クロックと呼ばれ・・といった概要は商品ページをご覧頂くとして、製作当時の話を少し書きます。

予約して頂いた方には、先着順にお好きなエディション番号を選べるシステムにしたのですが、なぜか、じゃなくてやはり「7」がつく番号が人気でし た。77とか777とかね。

もともと「パタパタクロック作る?」という奈良さんのアイデアで、この置き時計が実現したんですが、この時計のために奈良さんは何10点、いや 100点越えてたかも・・、たくさんの絵を描き下ろしてくれました。で、描き上がった絵を並べて、みんなで、あーでもない、こーでもないと言いな がら時間24枚、分60枚、計84枚の時計の絵柄を決めたんです。

奈良美智限定クロック『WALK ON』サインは専用のプレートを作ってそれにエディション番号とサインを入れてもらったんですけど、その時、作業した奈良さんのスタジオがとても暑かっ た記憶があります。それで、せっかくサインを書いてもらったのに、僕はそのプレートに汗をたらしてしまい、奈良さんに再度、サインと番号を書き直 してもらったりとマヌケなエピソードも。

そういえば、どさくさにまぎれて自分用のプレートにサインをして頂きました。奈良さんは「椎名スペシャル」と書いてくれましたが、結局パタパタク ロックには付けずに大事にしまってあります。

今でも時々、その大きいパタパタの修理依頼があるんですが、ずいぶん使い込まれた姿をみると、可愛がってもらっているんだなと感慨もひとしおです。こんな時は本当に制作者冥利につきますね。

椎名良幸 談