【写真家】杉本博司プロフィール/作品関連情報

杉本博司新作版画展『3 Lithographs』@GALLERY at lammfromm

写真家 杉本博司(すぎもとひろし/Hiroshi Sugimoto)のプロフィール&関連情報ページです。

【杉本博司について】

時間・場所・文化、そして歴史を通して、物事の本質を追求する独自の視点で制作されたコンセプチュアルな写真作品で、世界的に高く評価されている写真家の杉本博司(すぎもとひろし)は、ロサンジェルスのアート・センター・カレッジ・オブ・デザインで写真を学び、ニューヨークに移住以降、ロサンジェルス現代美術館、メトロポリタン美術館、グッゲンハイム美術館、カルティエ財団など世界の名だたる美術館で個展を開催しています。

自然史博物館の3 次元展示による剥製動物を生きているかのように撮影した「ジオラマ」シリーズを皮切りに、明快なコンセプトと独自の哲学に基づいた数々のシリーズ写真作品を発表し、国内外で高い評価を得てき来た杉本博司。一本の映画を写真で撮ったら何が写るかという自問から、アメリカ各地の劇場やドライブインを訪れ、約2時間のストーリーを一枚の写真に閉じ込めた「劇場」シリーズでは、崇高な光を放つスクリーンで多くの人の心を揺さぶりました。また、画面中央の水平線で分断される構図で、世界各地の海を撮影した「海景」シリーズでは、時を超えて太古の人類が見た風景を具現化するなど、卓越した技術で表現されたコンセプチュアルな写真作品が世界中より喝采を浴びました。現在、そんな杉本作品の多くがメトロポリタン美術館、ニューヨーク近代美術館(MoMA)、ポンピドゥーセンター、テイトギャラリーを始めとした世界中の美術館に収蔵されいます。

近年の杉本博司は執筆や設計も手がけており、2008年に2冊目の論考集『現な像』(新潮社)刊行。またその同年、建築設計を手掛ける新素材研究所を設立し、2009年10月26日に研究所の内装設計及び造園による「IZU PHOTO MUSEUM(静岡)」を開館しています。

2010年には紫綬褒章も受賞し、まさに現代アート界の巨匠の域に達した杉本博司の活躍から、今後も目が離せません。

【作品について】

杉本博司新作版画展『3 Lithographs』@GALLERY at lammfromm

GALLERY at lammfromm(ギャラリー・アット・ラムフロム)では、2010年6月に杉本博司新作版画展『3 Lithographs』を開催しました。この版画展では、1997年から制作を始めた「建築」シリーズより、杉本氏自身が厳選した3作品の新作版画と「観念の形」シリーズの版画を展示されました。

無限倍という焦点距離を設定した旧式大型カメラで撮影されたモダニズム建築の数々は、ぼんやりとした画の中で、よりその本質を浮かび上がらせ、既知の芸術作品を新たな視点で捉えなおすという新鮮な驚きに満ちています。東京大学総合研究博物館に残されていた明治期にドイツから日本にもたらされたという数理模型を撮影した「観念の形」シリーズは、『芸術は芸術的野心のないものに宿るのだ』と杉本氏が語るように、一見芸術とはかけはなれたところにある美の魂を見事に表現しています。

【杉本博司 グッズ】

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■主な経歴・受賞歴・展覧会歴

●経歴

  • 1948年:東京生まれ
  • 1970年:立教大学経済学部卒業
  • 1972年:アート・カレッジ・オブ・デザイン、ロサンジェルス卒業
  • 1974年:ニューヨークに移住。現在、ニューヨークと東京を拠点に活動中

●受賞暦

  • 2010年:紫綬褒章
  • 2009年:高松宮殿下記念世界文化賞
  • 2001年:ハセルブラッド国際写真賞受賞

●個展

  • 2010年:The Day After(The Pace Gallery/ニューヨーク)、杉本博司 アートの起源(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館/香川)
  • 2009年:歴史の歴史 杉本博司」国立国際美術館/大阪)
  • 2008年:歴史の歴史 杉本博司」金沢21世紀美術館/金沢)
  • 2005年:杉本博司:時間の終わり(森美術館/東京)
  • 2003年:Sugimoto:Architecture(シカゴ現代美術館/シカゴ)
  • 2001年:Noh Such Thing as Time(DIAアートセンター/ニューヨーク)、Architecture of Time(クンストハウス・ブレゲンツ/ブレゲンツ、オーストリア)
  • 2000年:Sugimoto:Portraits(グッゲンハイム美術館/ベルリン)、「Sugimoto:Architecture Series」サンフランシスコ近代美術館/サンフランシスコ)
  • 1998年:ラ・カイシャ基金展示室(マドリッド)、「陰影礼讃」CCA北九州企画ギャラリー(北九州)、クンストハーレビエレフェルド(ビエレフェルド、ドイツ)
  • 1997年:三十三間堂(セインスベリーセンター、イーストアングリア大学/ノーヴィッチ、イギリス)